21-B1

SAPTオンラインスクール 基礎講座

[講義題目]:「GNSSの原理から基本的な測位アルゴリズム・プログラミングまで」

[日時]: 2021年7月7日(水), 7月14日(水), 7月21日(水), 7月28日(水)  10:00~17:00

[会場]: 測位技術振興会(SAPT)ビデオ会議室 A

[講師]: 電子航法研究所 坂井 丈泰 氏 7月7日および7月14日を担当
    立命館大学   久保 幸弘 氏 7月21日および7月28日を担当

[受講対象者]:GNSSを応用した各種のシステム開発を始めようとしている,または従事している技術者,セールスエンジニア.GNSS関連分野の
       研究テーマに取り組み始めた理工系学生の方々にも適した内容です.

[受講者予備知識]:理工系大学,高専等で学ぶ基礎的な数学の知識(特に線形代数や確率統計)があることが望ましい。

[本講義の目標と講師からのメッセージ]
     近年,各国のGNSS(衛星測位システム)の開発・整備やQZSS(準天頂衛星システム)による高精度測位サービスの開始などが相まって,
     さまざまな位置情報サービスの展開が活発に行われています。
     その一方で,「測位の方式が沢山ありすぎてよく分からない」,「原理を学習しようとすると,直ぐに数式が出てきて理解が難しくなる」
     といった声がよく聞かれます.
     本スクールでは,GNSSによる測位がどのようにして実現されているのかを,なるだけ平易に解説します。
     その上で,基本的な測位演算の手順(アルゴリズム),そのアルゴリズムのプログラミング手法を紹介します.
     GNSS受信機を単なる「位置情報を出力する箱」として扱うのではなく,数多ある測位方式や活用事例を理解した上で,新たな取り組みを
     行うために必要となる基礎知識を効率よく修得して頂くことを目指します.

[講義内容]: 1日目(7月7日)
       衛星測位システム(GNSS)の概要としくみ,測位計算への準備
         (a) GNSSの概要
         (b) 距離の測定と測位の原理
         (c) 時系・座標系とその変換
         (d) 人工衛星の軌道
         (e) 航法メッセージ,GPS衛星の軌道と時計誤差
         (f) 単独測位の基礎
         質疑応答

      2日目(7月14日)
       単独測位の手順および測位のバリエーション
         (a) 標準データフォーマット(RINEX・NMEA)
         (b) 測位誤差の要因と対策
         (c) 単独測位-測位演算の手順
         (d) 単独測位のプログラム
         (e) ディファレンシャル補正
         (f) ディファレンシャル補正処理のプログラム
         質疑応答

      3日目(7月21日)
       GNSS測位へのカルマンフィルタの応用
         (a) カルマンフィルタとは何か
         (b) カルマンフィルタ,拡張カルマンフィルタ(EKF)の導出
         (c) 簡単な応用事例とそのポイント
         (d) 単独測位へのカルマンフィルタの適用
         質疑応答

      4日目(7月28日)
       高精度測位の原理と相対測位の考え方
         (a) 測位誤差の原因
         (b) 高精度測位の原理と相対測位の考え方,RTK,PPPとは何か
         (c) 搬送波観測を用いた測位とアンビギュイティ(整数値バイアス)の解法
         (d) 測位の精度評価指標について
         本講座の総括,全体を通しての質疑応答

        (備考)3日目のカルマンフィルタの理論的導出等については必要最小限(概要程度)の内容とし,ここでは応用例等に
         重点を置いてお話しします.確率統計の基礎からじっくりと学習される場合は,6月30日開催の1日コース
         「分かる確率統計とカルマンフィルタ」の受講をお奨めします.

[受講料]: 基礎講座(4日コース)  ¥60,000(会員), ¥65,000(非会員),¥30,000(学生)
     本講義は、受講者総数(学生の方は0.5名に換算)が3名に満たない場合は、原則として閉講いたします。