21-S2

SAPTオンラインスクール 特論講座

[講義題目]:「分かる確率統計とカルマンフィルタ」

[日時]: 2021年6月30日(水)9:00~17:30

[会場]: 測位技術振興会(SAPT)ビデオ会議室 A

[講師]: 立命館大学 杉本 末雄 氏 

[受講者予備知識]:理工系大学,高専等で学ぶ初等的な線形代数と確率統計の知識
    
[講義概要]: カルマンフィルタは,観測信号から雑音成分を取り除き,観測信号に含まれているシステムの状態を推定するための最も有効な手法です.
      統計学的制御工学・信号処理,GNSS測位での位置の推定法としては必須の手法です.本講義では,カルマンフィルタを完全に理解,納得する
      ために,史上,最も簡潔な方法でカルマンフィルタを導出します.
      そのために,まず確率統計の基礎を学ぶと共に,同時に,工学や社会科学全般で有効な線形回帰モデルに対する推定論についても分かりやすく
      講義いたします.最後に,カルマンフィルタの適用例として,GNSS回帰(GR)モデルを用いた衛星測位アルゴリズムを示します.

[講義内容]: 1.確率統計の基礎
        (1) 確率とは
          a. 確率の公理
          b. 確率変数,確率密度関数(pdf),累積(確率)分布関数(cdf)
          c. 期待値とモーメント生成関数
          d. 2項分布と正規分布
        (2) 結合確率密度関数(jpdf)とn次元正規分布
          a. 平均値ベクトルと共分散行列
          b. n次元正規分布 
        (3) 条件付き確率と条件付き確率密度関数とベイズの定理

      2. 推定論
        (1) 最尤推定法と最小二乗法
        (2) 線形回帰モデルのパラメータ推定
        (3) 推定パラメータの誤差共分散

      3. カルマンフィルタ
        (1) 観測式(線形回帰モデル)と状態空間モデル 
        (2) カルマンフィルタの最も簡単な導出法
          a. 条件付確率とベイズの定理
          b. 時間更新式と観測値更新式の導出
        (3) GNSS測位アルゴリズム
          a. 擬似距離と搬送波位相積算値の数学モデル
          b. GNSS回帰モデル
          c. カルマンフィルタの適用

      4. 質疑応答 および 余談: コロナ禍の中の統計学

[受講料]: 特論講座(1日) ¥20,000(会員), ¥25,000(非会員),¥10,000(学生)
     本講義は、受講者総数(学生の方は0.5名に換算)が3名に満たない場合は、原則として閉講いたします。