宇宙化時代の社会科地理教育

投稿者: | 2010-09-24

山口幸男
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はじめに – 本稿は、社会科教育、地理教育における全く新しい概念・考え方である「宇宙化時代の社会科地理教育」を、わが国ではじめて提起するものである。わが国の社会科教育は、これまでかなりの長い間、「国際化」、「グローバル化」をキーワードとして論じられてきた。最近は、「ESD」、「持続可能な社会」などの概念が流行している。これらに共通するのは、地球を閉じられた系、有限的存在として捉えている点で、そのため、現状維持か、場合によっては、退歩、逆戻りという方向性しか見出せない閉塞的な状況が蔓延しつつある。また、「地球市民」、「脱国家・全人類的立場」(魚住・深草編2001)といった概念が、意味不明瞭なまま流布していることも問題である。そうした閉塞感を打破し、人類の進歩・発展に期待をかけ、将来への展望を切り開く新しい社会科教育が今求められているように思われる。このような問題意識から、筆者は「宇宙化」という概念・考え方に着目するようになった。今日のわれわれの日常生活は宇宙と深く関係付けられているという現実実態があり、その実態が、宇宙化時代の社会科地理教育を構想したきっかけである。

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