中川史丸,高橋靖宏,田渕良,雨谷純,中村真帆,土屋茂,浜真一
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Preface – 高精度時刻比較装置(TCE)の開発は、ETS−Ⅷ搭載の原子時計と地上の原子時計間の時刻差を求め、衛星搭載原子時計の軌道上性能の把握を行うため、衛星−地上間の高精度時刻比較技術を獲得することが主な目的である。さらにTCEでは、2つの地球局を使用することで、地上−地上間の双方向時刻周波数比較が可能となり、これは現在、国際時刻比較リンクで行われている通信衛星を用いた、衛星双方向時刻周波数比較(TWSTFT)と基本的なシステム構成は同じである。TCEの最大の特徴は、搬送波位相による計測が可能であることで、これにより、従来のコード位相と併せて、より精度の高いTWSTFTが可能となる。そこで、TCEの特徴を生かした、搬送波位相によるTWSTFT実験を行い、その精度の確認及び搬送波位相によるTWSTFTで必要となる解析技術の開発を行った。本章では、最初にTCEによる2種類のTWSTFT実験の概要を説明、それぞれの実験の結果を紹介し、最後に搬送波位相によるTWSTFTにおける精度向上について考察する。
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