中村敏和,薄井智貴,関本義秀,柴崎亮介
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Overview – 近年,GPS測位による行動ログデータの取得が容易になる一方で,収集した大容量のデータを如何に処理し,価値を生み出すかが重要な課題となっている.というのも,GPS観測データには,観測機器や伝搬遅延,周辺環境によって少なからず誤差や欠損データが含まれており,観測データそのものを利活用することは,その後の結果にも大きな影響を及ぼしかねない.そのため,それら観測データに含まれる誤差を補正し,より現実に即した尤もらしい行動データに変換する必要がある.これまで,こうしたGPS観測データは道路上を移動する行動履歴とみなし,道路ネットワークに吸着(マッチング)することで概ね妥当な補正を行ってきており,いくつかの研究において手法が確立されている.しかし一方で,公園や細街路,歩行者専用道路など,自由空間を移動する歩行者トリップにおいては,上記マッチング手法では補正精度は低く,より安定した補正技術の検討が望まれている.さらに,GPS観測データから行動情報を取得するためには,滞留点の判別や行動場所の推定といった,データマイニング手法を用いた行動履歴の意味付けも重要な要素となる.また,GPS観測データは,わずか数日分の行動データが数GBの容量となることは珍しくなく,これらの膨大なデータを処理するためには,計算コストや蓄積データ容量を必要最低限に抑える必要がある.
そこで本研究では、様々なGPS観測データを効率よく,かつ精度の高い時空間情報として利活用するための基盤技術として,歩行者GPS観測データを補正するためのオフラインマップマッチングアルゴリズムの開発を行う.
“パーティクルフィルタによる歩行者GPSオフラインマップマッチングアルゴリズム手法” をダウンロード
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