マルチ GNSS を活用した GEONET の新たな解析手法について

投稿者: | 2020-03-10

檜山 洋平 (国土地理院)
[ リンク:gsi.go.jp ]

Preface – 国土地理院は,全国約 1,300 か所に電子基準点を設置し,高精度な測量網の構築,広域の地殻変動の監視,位置情報サービスの支援を目的とした GNSS連続観測システム(GEONET)を運用している.
 GEONET の観測データは連日解析され,その結果である各電子基準点の座標(X,Y,Z 座標及び緯度,経度,楕円体高)は「日々の座標値」として国土地理院のホームページで公開され,地殻変動を把握するためのデータとして調査研究等に広く利用されているところである.
 この「日々の座標値」には,GEONET の運用が始まった 1996 年以降設置されている電子基準点の毎日の座標が記録されている.近代測量の歴史の長さと比較すると,その歴史は浅いものの,プレート運動に伴う定常的な地殻変動だけでなく,地震時の地殻変動,地震後の余効変動,ゆっくりすべり(スロースリップ),火山噴火前後の地殻変動など多様な自然現象を正確に捉え,我が国の防災・減災対策を講じるための貴重な資料となっている.
 「日々の座標値」の解析手法は,1996 年に第一版が考案されて以降,3 回改良されている.最新の改修(第四版)は 2009 年に行われた.
 今般,「日々の座標値」の更なる高精度化を目指して新たな解析手法を開発しており,本報告では,その手法を紹介する.

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