石油エネルギー技術センター
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Overview – 米国地質調査所(USGS:US Geological Survey)が2008年7月に発表した「Circum-Arctic Resource Appraisal(CARA)」によって、北極圏の石油・ガス資源は一躍注目を浴びた。
また、2010年夏、ロシア独立系天然ガス大手のノバテクが手配したソフコムフロートのアフラマックスタンカーが、コラ半島北岸のムルマンスク港から北極海航路(NSR:Northern Sea Route)を経て中国海洋石油総公司(CNOOC)の化学プラントがある東シナ海の中国浙江省寧波まで、22日間でコンデンセートを輸送することに成功した。さらに中国の砕氷極地観測船「雪竜」は2012年8月、北極海航路を航行してアイスランドに到着した。2012年11-12月にはロシアムルマンスクがチャーターしたLNG タンカーが、ノルウェー北部のハンメルフェスト港から北極海航路を利用して北九州市戸畑港の九州電力LNGターミナルまで29日間でLNGを輸送した。このほか、2014年までに韓国、台湾、北朝鮮、シンガポール、タイ、ベトナム、米国、カナダ、フィンランド、デンマーク、ドイツ、ポーランド、オランダ、フランスなどを発着する船舶が北極海航路を利用した。
こうした資源開発および輸送ルート、さらに軍事・安全保障面での北極海への関心の高まりのなか、2013年5月に開催された北極評議会(AC:Arctic Council)の会議では、沿北極海国ではない日本や中国、さらに韓国、インド、シンガポール、イタリアの常任オブザーバー資格(議決権を持たない参加資格)が認められた。北極海を巡っては、ここ数年、特に中国の進出が話題となっているが、北極海の資源と中国の北極海への関与を軸に北極海開発の動きを紹介する。
“石油資源運搬での北極海航路開拓に関する中国及び各国の動きと北極圏の石油・ガス資源開発” をダウンロード
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