精密単独測位の初期収束時間短縮に関する研究

投稿者: | 2019-08-22

小野裕喜, 辻井利昭(大阪府立大学)
[ ID: sapt-1908-0004 ]

Abstract - 近年, GNSSを利用した測位方式の一つである精密単独測位(PPP: Precise Point Positioning)技術が盛んに研究開発されている. PPPは高精度の搬送波位相データを主として利用し, 近傍に基準局を必要としない測位方式であるため, 国・地域・山岳・海洋など場所を問わずあらゆる場所でcm級の測位が可能である. これにより移動体の連続的な測位が可能となるため, 近年話題となっている自動運転技術にも適用されることが期待されている. ただし, 依然PPPには多くの技術課題が存在している. 本研究ではその中でもPPPの初期収束時間の短縮にアプローチした.
 基準局を必要とするRTK(相対測位)が瞬時に収束するのに対し, PPPの初期収束時間は10~20分程度であると一般的に知られている. 移動体において, 高層ビル間など衛星信号が頻繁に遮断されるような環境下での利用を考慮すると, 初期収束時間に時間を要することは致命的であると言える. この長時間の初期収束時間に関して, 大気中の水蒸気量の不確定性が原因の一つとして考えられる. 本研究では, 気象観測データの利用により, 収束の高速化を目指した.

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